書こうかどうしようか迷っていたのだけど、やっぱり書いてみることにする。

榊原ゆい問題
知り合いのid:tomitaakihiroがガツンとした文章を書いていたけど、確かに榊原さんの言ってることは正しいし、まったくもってそのとおりだと思う。というより、本人が止めてくれって言っているのだから、止めるべきだろう。モッシュやダイヴを禁止するアーティストがいるように、演者本人が不快に思いながら行うパフォーマンスなど、誰も見たくないのだから。

なので、榊原さんは絶対的に正しいのである、ということを先に書いておく。

ただし、これによってさまざまな議論が方々で交わされているのだけど、「榊原ゆいのライブではヲタ芸禁止」という話が、さまざまなブログにおいてヲタ芸の是非までに波及していることに関しては首を傾げざるを得ない。どうしてもモッシュやダイヴに話を繋げてしまうのだけど、やってはいけないライヴがあるのと同様に、やってもいいライヴがある。榊原さんが「迷惑行為だ」と断じるのは、彼女のライヴにおいてのみ発生する拘束力なのであって、そこが火種となっていたるところでヲタ芸を、ひいてはヲタ芸を打つファンの人格まで問うような論調になっていることには賛同できない。個人的に駅前で、ライヴ会場でヲタ芸をやりはせずとも楽しそうに打っている人を見ているのは楽しいと思っている者としては、そう思うのだ。

持っているCDの枚数や愛した年数など(時には重要であっても)によってファンのレベルを推し量るべきではないのと同じように、ファンのアーティストや楽曲、パフォーマンスへの向き合い方によってファンのレベル推し量るべきではない、と思う。

しつこいまでに繰り返すが、(過去に取材したときも語っていたと思うけど)榊原さんが言いたかったのは「自分はダンスなどを含めたステージングに命を賭けているのだから、それを見に来てほしい」ということであって、だからこその「ヲタ芸禁止」なのである。そして、アーティストが止めてほしいと思っていることをわざわざお金を払ってやりに行くべきではない、ということである。

ヲタ芸を打っても打たなくても、ファンならば彼女の勇気ある、真摯な声に耳を傾けるべきだ。