井上あずみ

というわけでまずは8月29日の井上あずみさんの『デビュー25周年記念ツアー スタジオジブリ作品名曲コンサート』を見に埼玉へ行ってきました。井上あずみが『トトロ』や『ラピュタ』はもちろん、ジブリの名曲を歌う〜というだけでかなりのレア感満載な今回のツアー。しかも会場におわすは子連れ8割というかなりアッウェーな状況。こういうライブは新鮮だったなあ。
そしていきなり名曲「君をのせて」からセットはスタート。声の伸びも素晴らしいし、シンプルな編成ながらジャストにオリジナルを再現するバンド陣と、当たり前だけど最高のパフォーマンス。言うまでもないけど、子供だけというにはあまりにもったいない贅沢感。
以降、第1部はベスト・オブ・ジブリ、ベスト・オブ・井上あずみという構成で、オリジナル/カヴァー関わらずに有名曲をバッシバシ披露。当然子供もいっしょにシンガロング。MCも子供向けなのだけど、なるほど!と思わせるほどウマい。説明はクドくなりすぎないほどにわかりやすいし、引き込み方も非常にスムーズ。子供というのはこういう場では忍耐強さがめっきりなくなるもので、自分に興味がないものになるとすぐに「トイレ!」とか言ってしまうものだけど、常に視線をステージ上に向けさせる技術というのはさすがファミリー・コンサートでならした彼女にしかできないものだと思わせる。終始テンションの落ちない第1部だった。
そして第2部は、今ツアー最大の目玉である『トトロ』を再現するというもの。井上さん自身によるナレーション、そしてトトロやまっくろくろすけの影絵や場面写真を用いて(ジブリがこういうことをするのは本当にまれだという)『トトロ』のストーリーをなぞるという、本当にレアすぎるステージなのだけど、この再現っぷりがハンパなかった。「さんぽ」にはじまり、「となりのトトロ」まで、劇中で聴かれたさまざまな劇伴やイメージソングを井上さんの声で聴けるのはもちろんのこと、絵本の読み聞かせのようにさつきとメイの物語を子供たちに語っていくさまに、純粋に目頭が熱くなった。DVDや、それこそ毎年夏にTVで見ることのできる『トトロ』だけども、こういう追体験の仕方は滅多にできないだろう。本当に贅沢な瞬間だった。
というわけで、あまりの素晴らしさに長くなってしまったけど、要するに子供に見せるだけのもにするにはもったいないぜ!と思わされる一夜だった。今回、25周年という特殊なケースとしてこのようなゴージャスな仕様のコンサートを行ったそうだが、今後もこれまで同様にファミリー・コンサートは継続されていく。衰えることない彼女のエヴァーグリーンな歌唱は、ぜひとも生で体験してみてほしい。また、願わくば今回限りといわず、このような形式のライヴをまたやってほしいと思った次第。これはもっとたくさんの人々に見られるべき。
あと、手前味噌だけどもアニソン・ポータルサイトaxiveにて、アタシが取材しましたインタヴューが掲載されていますので、興味のある方はぜひ!(インタヴューはコチラ

ハーモニー

ハーモニー